インソールは効果ない? ある? インソールを正しく理解しよう

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普段から、お客様の足やインソールにかかわる仕事をしてきて感じたことですが

  • 金額として高いものが多い!
  • インソールが過大評価・表記されていることが多い!
  • 耐用年数を過ぎても使っている人が多い!
  • お客様がインソールや自分の足について知る方法が少ないため、自分に合った商品を選びにくい!

これをできる限り、発信していきたいのでこの記事を作成いたしました。

目次
  •  
    【金額として高すぎるものも多い!】
     100円と10万円を超えるインソール何が違うの?
  •  
    【インソールが過大評価・表記されていることが多い!】
     インソールで膝の痛み・腰の痛みが消えるの?
  •  
    【耐用年数を過ぎても使っている人が多い!】
     高かったし、見た目上わからないから使ってて…

  •  
    【お客様がインソールや自分の足について知る方法が少ないため、自分に合った商品を選びにくい!】
     自分の足ってどんなタイプ?
  •  
    まとめ(インソールの見極めポイント)

【金額として高すぎるものも多い!】 100円と10万円を超えるインソール何が違うの?

   インソールといっても、様々な価格帯のものがあります。
   (それこそ、100円均一から、10万円を超えるインソールまで

   価格の違いを生む大きな要因は
   利用目的によって素材・構造が違う
   オーダーメイドと既製品の違い

⑴利用目的によって素材・構造が違う

インソールは目的別におおまかに分けると3つです。     

『アーチサポート』

         …足のアーチ構造を守る為に、起伏のある形状。
          体重で大きく変形しないように、ある程度の固さを持ったもの。

『補正(オーソティクス)』

         …それぞれの足の骨格を補正し、適切な状態である中立位へと誘導し
          足本来のパフォーマンスや身体バランスなどを整えていく目的。

『それ以外』

         …靴のサイズ合わせ、消臭、温熱効果など。
          =足のアーチ構造は無視するものが多い。

この中で、素材・構造が複雑化してしまう『アーチサポート』 『補正(オーソティクス)』
高額になりやすいです。

⑵オーダーメイドと既製品の違い

既製品よりもオーダーメイドが高くなるのは当然のことですがオーダーメイドの中でも
ランクがあり「製法」 「制作にあたっての測定」によって金額が多様化しています。

自分が知っている範囲で、記載していきます。ほかにもあればご教授ください。
 ※耐用年数は構造をどれだけキープできるかどうかの観点。
  実際の耐用年数は利用方法によって異なってきますし、金額も
  メーカーによって異なってきます。

『パーツ貼り付けタイプ』

   フットプリント・歩行診断をもとに測定員の主観で作られ 
   靴にもともと入っているインソールにパーツを組み合わせて調整していく方法
    金額:約5000円前後
    耐用年数:0.5年

『心材熱成型タイプ』

   フットプリントをもとに、型を選定し、その後
   熱による微調整していく製法(熱成型)
    金額:約10000~15000円
    耐用年数:0.5~1.0年
         (スポーツ利用すると極端に短くなりやすい。)

『心材削り出しタイプ』

   フットプリントをもとに、一から心材を削り出しによって作成
    金額:約20000円~50000円(メーカーによる差が大きい)
    耐用年数:1~2年

『掘削製法』

   足型を石膏やトリッシャムといわれるスポンジでとり
   それに合わせ作成。
    金額:50000円~
    耐用年数:2年
         (素材や、身体の変化によって異なります。)

基本的には、インソールに使う素材が高価であれば高額になりますし
様々なデータ・行程を経て制作されると高額になります。
ただ、高いからいいというわけではありません。
個人的な感覚ですが、オーダーメイドでしたら30000~50000円前後
適切な価格設定のように感じています。 
※付加価値(永年無償修理など)がなければ。

その為、金額に疑問を感じたときには、正直に販売員や技師に
何故高いのかを尋ねていただいて納得ができる説明ができるかどうかで
見極めていただいた方がいいです。
※悲しいことに、心無いメーカ―や販売店も多く
 過剰に利益を追おうすることも多い現状です。

【インソールが過大評価・表記されていることが多い!】  インソールで膝の痛み・腰の痛みが消えるの?

はっきりしないですが、インソールによって膝痛・腰痛が消えることは
「可能性としてはあるが、約束できるほどのものではない」という程度です。
=薬機法的にも販売する際に履けば膝痛が治るなどは言ってはダメです。

理由は、その痛みが骨格構造のゆがみによって引き起こされたものとは限らないからです。

これは痛みが発生する一部のパターンですが

  1. 骨格構造がゆがむ or バランスが崩れる。
  2. 関節や筋肉に不均等な負荷がかかる。
  3. 関節に炎症を起こしたり、筋肉の硬直によって血行不良・神経の圧迫などを起こす。
  4. 神経が反応し、痛みを感じる。

1が原因となって痛みへとつながる場合には、インソールは一つの有効なツールですが
過去の怪我や、なんらかの身体の特殊性(脚長差など)から
直接3を起こす場合があります。
その場合、骨格構造やバランス以外の原因を排除することも重要となってきます。

足の骨格構造のゆがみが大きく身体に影響を与えている方にはインソールは重要になります。
ただ、インソールの中でも骨格構造を考えて作られている
『アーチサポート』『補正(オーソティクス)』でなければなりません。

選ぶ際には、自分の痛みや不調の原因が足との関連性が大きいかどうかを
しっかりと説明を聞き納得したうえで、購入された方がよいと思います。

【耐用年数を過ぎても使っている人が多い!】 高かったし、見た目上わからないから使ってて…

このタイトルは自分自身がお客様より言われたことです。
気持ちはとてもよくわかります、実際見かけだと分からないような
インソールの歪みが出てくることがほとんどです。

ただ、以下の理由から耐用年数自体は気にしていただきたいと思っています。
経年での素材の劣化
インソールは体重以上の負荷を受け止めていること
2~3年で身体が変化する可能性があること

⑴経年での素材の劣化

経年劣化は使っていても、使っていなくても発生してしまいます。
(多くのメーカーでは、体重以上の負荷がかかることを前提に作っている為、
 使わなかった時の方が形の変形や素材の固さが変質しやすい場合が多い。)

これは、ものを作る以上メーカーとして努力する必要があることで、
今後も努力し続けなければいけないと感じています。

ただ、インソール(特にオーダーメイド)の製品特性上、2~3年で
身体が変化する可能性(インソールによってや、けが、病気など)がある為
あまり耐用年数を伸ばし続けても、本当に自分に合ったインソールを
使い続けられない状況もあります。

実際、医療用の足底板も1.5年という期間を耐用年数として定めています。

⑵インソールは体重以上の負荷を受け止めていること

脚は、歩行時で1.2倍、走行時に3倍、ジャンプ時に5倍の体重を受け止めているといわれています。

ただ、これは脚(下肢全体)の話なので、膝の使い方などで
足裏への体重負荷は変わると考えられます。
ですが、まず初めに地面に触れるのは、足裏部分の為
相応の負荷はかかっています。

体重が60㎏の人を例に出すと…
    
歩行時→72kg
走行時→180㎏
ジャンプ時→360㎏

の負荷を受けていることになります。

例えば、約100~300㎏のものを年間単位で
机や椅子においていたらどうなるでしょうか?
おそらく、簡単な作りなら壊れてしまいますし、
丈夫に作っても何らかの変形を起こしてしまうと考えられます。

⑶2~3年で身体が変化する可能性があること

補正型のインソールだったら、身体のバランスなどを
変えていく目的があることは前述したとおりですが
2~3年の間に、けがや病気をしたら、もちろん身体が
変わる可能性があります。

身体が変わっていったら、身体に合わせている
アーチサポートや補正のインソールも替えなければなりません。

そんなに高いの何回も買えないよという人も多いと思いますが
年間単位で使うことを考えるとそこまで高すぎる買い物ではないと考えています。

ヨーロッパ圏では、児童にオーダーメイドのインソールを作るくらい
当たり前に大事にされてきているものですので一度試したり、
買ってみるのも健康のための一歩と考えてみて欲しいです。

結論として、メーカーによってある程度耐用年数に開きがありますが
点検などは年間単位で行っていった方がいいと考えています。

【お客様がインソールや自分の足について知る方法が少ないため、自分に合った商品を選びにくい!】 自分の足ってどんなタイプ?

これも実際のお客様から、言われた一言が起源です。

私自身、普段からお客様にとって納得ある選択をしてほしい為
自分の商品を売ることに固執せずに、他メーカーの商品もおすすめしつつ話をするようにしています。

そんな中、あるお客様からこんなことを言われました。
そんなこと言われたって、あなたしか知らないし(他メーカーを知らないし)、私はここのインソールを作る

信頼してくれていると伝えているつもりだったのかもしれませんが
私は、お客様自身、足のことやインソールのことを知る機会がないからこそ
出てきた言葉だと感じました。

その為、簡単に、自分の足がどんなタイプかを知ってもらえるように
タイプ分けをしていきたいと思います。
※詳細記事は今後書いていきます。

足の骨格の癖になります。インソールを語る際に絶対に外してはいけない話です。
(面倒ですが、一番確実なのは写真のように後ろから写真をとっていくことです。
 そのほかのセルフチェックも入れておきますが、判断が難しいところもあるので参考までに)

また、これに関しては大人になってから治ることはほぼありません。
実際、足の癖は、骨格が大人とほぼ同じになる9~10歳頃には固まってしまいます。
後天的に高強度の運動や、けがなどで重度になることもあります。

⑴回内足(重度は過回内・オーバープロネーション)

概要

カカト周りの関節が過剰に内に動いている状態です。
※足が内側に倒れこむ形となるため
1.土踏まずの低下 2.各関節の角度や向きの変化 を起こしやすく
それにより、足底部分や、各関節への負荷が大きくなりやすいと考えられています。

要因となる諸症状

偏平足・外反母趾・足底筋膜炎
シンスプリント・O脚・アキレス腱炎など

簡単セルフチェック

足をぴったり合わせてまっすぐ立ったとき、足の内側が見えるかどうかをチェック(舟状骨が出てるかどうかチェック)

⑵回外足(重度は過海外・オーバースピネーション)

概要

カカト周りの関節が過剰に外に動いている状態です。
※足が外側に倒れこむ形となるため、
1.衝撃吸収に土踏まずが使われづらい状況 2.各関節の角度や向きの変化 を起こしやすく
それにより、脚の外側の筋肉のハリ(前脛骨筋や、大腿四頭筋、梨状筋、大殿筋)や、各関節の負荷が大きくなりやすいと考えられています。

要因となる諸症状

足底筋膜炎・足底腱膜炎・足首捻挫
シンスプリント・X脚・腸脛靭帯炎・梨状筋症候群など

簡単セルフチェック

足をぴったり合わせてまっすぐ立ったとき、足の内側が見えるかどうかをチェック

まとめ(インソールの見極めポイント)

全体的に、このインソールが良いとか悪いとかは書いていないので、フワッっとした内容になってしまいました。
ただ少しでも、皆様ご自身がインソールを選ぶ際に、見極めるポイントをお伝えできていればいいなと考えております。

  1.製法・素材に対して、金額が妥当かどうか?
  2.インソールの効果を過大表記していないか?
  3.耐用年数をキチンと伝えているかどうか?
  4.自分の足のタイプにあったインソールを提案されているか?

   インソールが正しく作成・販売されるような環境が整っていくと幸いです。
   ご拝読ありがとうございました。

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